ABAは科学的に行動を変えていく支援法

こんにちは、ハナブーです。

世の中には、子供に対して多くの支援方法や関わり方がありますよね。

感覚統合・ABA・TEACCH・SST・ホバース法など例を挙げればきりがありません。

うちの子にはどんなやり方があってるのか分からない。という保護者の方も多いと思います。

今回はその中からABA 応用行動分析学(以下.ABA)について深堀していきたいと思います。

ABAは行動の原理に基づく科学

まず、ABAの定義を分かりやすく伝えると、

ABAとは行動の原理に基づく科学
ABAは社会的に重要な行動に包括的に適応さ
れ、行動を変化させる基になるものは何かを観
察によって導き出される。

となります。B・Fスキナー博士が唱えた科学の一つであり、心理学の考え方になります。

まだ分かりにくいと思うので、一つずつ分解して読み解いてみましょう。

・Applied 応用

ここで言う応用とは、「その人の人生に役立つ行動/スキル」です。

例えば、寒くて凍えそうな時に「寒い」と言えば、羽織るものが与えられるかもしれませんよね。

その「寒い」と言えるようになるスキルを教える。という解釈になります。

・Behavior 行動

ABAでの行動とは「生きている生物すべてが行う行動」になります。

有名なテストで、デッドマンテストというものがあります。

死人にはできない事すべてが行動に当てはまるという解釈がABAの特徴になります。

・Analytic 分析

ABAは科学ですので、データの収集・分析が欠かせません。

さらに、焦点を当てている行動だけでなく、行動の前後の行動も見ることで、

結果的に行動を増やしたり、減らしたりすることが出来る。ということです。

ABAは効果が実証されている科学

日本ではまだ、専門としている事業所は発展途上で、認知度も低いですが

ABAはカナダやアメリカでは公費(保険適用)の対象となっており、効果的な支援法の一つとなっています。

さらに論文も多く出ており、その科学的な根拠に基づく効果が実証されております。

Lovaas (1987)
McEachin, Smith, & Lovaas, (1993)
Sallows & Graupner, (2005)

UCLA I.Lovaas(1987)の内容を簡単に説明します。

1.ABA早期療育を、自閉症児に家庭で集中的に行った。

2.約半数の子が知的が正常域に達し、小学校普通級へ進学した。

3.ABAを行わなかった子供たちはほとんど変化はなかった。

この論文は信頼度的には低いですが、ABAを広めるいいきっかけになったと思います。

さらにその後の研究でABAを行った子供たちは成人してもその効果が持続したと言われています。

行動の強化と弱化

ここまで、ABAの概要を簡単に説明してきました。少なからず効果がありそうなことは分かりましたね。

では具体的にどのような手法を使っていけばよいのでしょうか。

それは

増やしたい行動を行ったら、褒めたりご褒美を与える(強化)

減らしたい行動を行ったら、反応しなかったり、叱ったりする(弱化)

ABAは行動の直後に起こる結果をコントロールすることで

その行動の増減に効果を発揮します。

強化の例を挙げましょう。

宿題を頑張った→先生に褒められた→宿題をもっとするようになった

虫が居たから殺虫剤をかけた→虫が居なくなった→もっと殺虫剤をかけるようになった

次に弱化の例を挙げてみましょう。

友達のおもちゃを奪った→先生に叱られた→友達のおもちゃを奪わなくなった

お菓子を勝手に食べた→ゲームを禁止された→お菓子を勝手に食べなくなった

日常生活に当てはめて考えてみれば自然な考え方かもしれません。

そういえば、私たち大人も給料というものによって強化されていますね。

行動の機能

ABAにおける行動は4つの機能に分類されます。

獲得:何かが欲しくて行う行動

逃避:何かから逃げたくて行う行動

注目:自分を見て欲しくて行う行動

感覚:その行動からくる感覚が楽しくて行う行動

行動を分析するために、それぞれの機能に分けてそれぞれの対応を行うことで効果を発揮できます。めちゃめちゃ簡単には反対の行動をさせることでその行動はなくなります。

獲得の機能ならば、獲得させない。注目ならば、注目しない等行うことでその行動を弱化、無くすことが出来ます。

また、増やしたい行動が行えたら存分に獲得(ご褒美)を与えたり、注目したりしてその行動を強化してください。

まとめ

以上がABAの簡単な説明と支援方法でした。

科学や心理学の一つなので、突き詰めればとんでもない量と質の学習が必要となってきますので、今回は紹介程度にさせていただきました。

個人的にはとても考え方や理論は納得がいくのですが、保護者や他の支援者、幼稚園保育園などに協力を求めるのは結構酷な気がします。

私自身、我が子が泣いてお菓子を求めていればすぐさま、買い与えるでしょう。(笑)

日本でも最近、ABAを主体としている事業所が増えてきたり、論文も日本語訳が進んでいますので、気になる方はぜひ調べてみてください。

ここまでご覧いただきありがとうございます!それではまた!

コメント

タイトルとURLをコピーしました