こんにちは、ハナブーです。
保育や療育の場面でよく耳にするワード”ボディイメージ”。名前は聞いたことあるけど、正直よく分からない。という方も多いのではないでしょうか?
ボディイメージは言いかえれば「身体図式」脳の中にある身体についての地図になります。
伊能忠敬が自らの足を使って日本地図を作り上げたように、私たち人間も自らの身体を動かすことによって地図を作り上げていきます。
今回はボディイメージを深堀りしていきます。
最後まで読んだら日々の子育てや保育・療育の視点が少し変わるかも?ぜひご覧ください。
ボディイメージとは?
ボディイメージは読んで字のごとく、自分の身体に対するイメージの事。いわば、頭の中にある身体についての地図です。
普段はほとんど意識的に使用されることはありませんが、触覚・固有感覚・前庭覚を通して形成されてき、自らの身体を思い通りに動かすために非常に重要な役割を果たしています。
ボディイメージの発達は、生活動作や遊び、コミュニケーション能力の土台となる重要な要素です。
ボディイメージは2つの要素から成る
ボディイメージを少し難しく分類すると、「地理的要素」と「機能的要素」があります。それぞれの機能をみていきましょう。
・地理的要素:身体の大きさや輪郭、身体の部位の位置をイメージする要素です。背中やお尻など、見えないところを自分の身体の一部であると分かるのは、ボディイメージのおかげです。
地理的要素は主に触覚(身体の輪郭)や固有覚(身体の恰好や宇動き)の情報が重要とされています。
・機能的要素:身体がどこまで、どんなふうに動くかのイメージをするための要素です。障害物を飛び越えられそう、支えられそう、落ちずに乗っていられそう、などの運動のイメージや、腕や足の関節がどのように曲がるかといったイメージを指します。
機能的要素は主に前庭覚(環境との空間的関係や動きの方向・速さ)や固有(身体の動きや力の入れ具合)の情報が重要とされています。
ボディイメージが使用されている場面
ボディイメージは無意識下で身体の状況に合わせて絶えず変化しており、年中無休で働いてくれています。
例えば、スプーンでご飯をすくう時にはスプーンもボディイメージの一部に組み込まれ、車を運転するときには車のボディの大きさもボディイメージに組み込まれます。
慣れない車を運転するときや免許取り立ての人が運転するときに不安を覚えるのはボディイメージ(車)が養われていないからです。
他にも靴下をはくときの両手足の動きやその動作中のバランス制御に関わる動きや、障害物を飛び越える際の身体の溜めやその先の着地点を測るためにも使用されます。
子供は大人のように片足立ちをしながら靴下をはくことが出来ないのもボディイメージが関与しています。
ボディイメージが曖昧だとどうなる?
それぞれの要素からボディイメージが曖昧だとどのようなことが起こるか見ていきましょう。
地理的要素が曖昧だと…自分の身体の大きさや状態が正確に把握できないために、無理やり幅の狭い所を通ろうとしたり、相手や物との距離感がつかめずにぶつかったり、何もない所で躓いたりしてしまうこともあります。
機能的要素が曖昧だと…自分の運動技能が把握できないために、他人の動きを真似したりすることが難しくなり、手遊びやお遊戯会で遅れたり、違う動きをしてしまったりします。また、簡単に出来るような活動にも挑戦しようとせず、たとえ新しい運動を学習するときに反復練習できるようになったとしても、応用が利きにくいといった特徴があります。
ボディイメージを促す遊び
ボディイメージは遊びの中で運動や姿勢の変化などを通して育まれます。
・地理的要素を促す遊び
触覚が多く感じられる遊び…触れ合い遊び・ボールプール・おしくらまんじゅう等
環境に合わせて姿勢や恰好を変化させる遊び…トンネルくぐり・クモの巣・乾布摩擦等
・機能的要素を促す遊び
固有覚が多く感じられる遊び…ジャングルジム・手押し車・相手の身体をよじ登る等
バランスを取る遊び…ケンケンパ・飛び石・平均台・バランスボール等
ボディイメージがはっきりしていないと、自分の変化に気づきにくかったりして様々な活動が失敗体験に繋がり、イライラ感や自己肯定感の低下・その活動を避ける行動につながります。
遊び方も大事ですが、出来ないことを何度も繰り返すのではなく、ボディイメージへ効果のある運動を子供が「できそう」と思える範囲で丁寧に進めていくことが大切です。
揺れや加速が苦手な子に初めからジェットコースターを使わずに抱っこから始めますよね?
子供にとって安心できる環境を整えたうえで遊びの段階付けをしながら、気持ちのサポートと同時に身体を動かす運動を促すと効果的かもしれません。
まとめ
ボディイメージがはっきりしてくると、運動や遊びのバリエーションが増えていきます。自分の身体を知ることによって、身体の外にある環境(他人や道具)にも関心が向きやすくなったり、新しい活動への挑戦、他人の遊びへの興味、自分が出来るを相手に披露したりと、他人とのコミュニケーションも豊かになります。
物や他人との円滑なコミュニケーションは自分の身体のやり取りから始まります。
この記事をタイピングしながら「あぁ、キーボードを自在に操れないのはまだ身体の一部なってない」と痛感しました…(寿司打しますw)
ボディイメージはあまり聞きなれない言葉で何となく知っている方や知っている方が多いかと思います。今回はボディイメージを2つに分けてそれぞれの考え方から遊び方の提供まで書いてみました。
特別な遊びではなく普段の遊びから色々な事が培われいるんですね。ちなみに私はジャングルジム大好きでよく子供たちにも提供します、あれは最強アイテムの一つです。
身体の地図を書き進めるために出来る範囲でいろいろな活動を促してみてください。
ここまでご覧いただいてありがとうございました!それではまた。
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