こんにちは、ハナブーです!
私の事業所に通っている子どもたちも多く、保護者の悩みのタネとなっているのが、偏食や、誤食(他害)です。
そんなお口に関する悩みはST(言語聴覚士)などが専門ですが、今回は作業療法士の視点で誤食について考えていきたいと思います!
口の感覚は発達過程のひとつ
子どもの発達過程には
「手に取ったもの目に入ったものをとりあえず何でも口に持っていく時期」があります。
赤ちゃんは、ミルクを飲んで生命維持を行うので、手の機能より口の機能が先に発達しているんです。
そのため、手で触るよりも、口で舐めたり嚙んだりするほうが、物を良くわかる場合が多いんですね!
また、大人でも口で遊ぶと落ち着けたり、集中出来たりしますよね。
皆様も、唇を舐めてたり、ガムを嚙んで物事に集中して取り組むことや、情緒の安定を図っていることがある方もいるのではないでしょうか?
しかし、発達過程の1つだとしても、幼児期になり、手先で物の操作や社会との関わりが上手になってくると自然と口で物を確かめる行動はなくなってきます。
ここがポイントで、
何でも口に入れてしまうのは発達過程のひとつと見るか、他の要因があるかを観察しないと行かないのです。
ストレスや覚醒レベルの影響
発達過程以外の視点で考えるなら
ストレスか、覚醒(脳の目覚め)が低い状態にあり、無意識にものを嚙んで、その要因から逃れようとしている事が挙げられます。
「嚙む」という行為は、情緒の安定を図っているので、ストレスがかかっていると、嚙む事でストレス発散を行っている場合があります。
また、眠くなる薬や寝起き、脳機能の問題など、何らかの原因で脳の覚醒レベルが低い状態にあると、嚙むことで、筋肉を動かしたり唾液を分泌したりして、目を覚まそうとします。
いずれにしても、まず原因を探り、その原因を解消することで嚙む行為が減ることがあります。
また、嚙む行為をやめさせようとするのではなく、行動の意味を考えその子に寄り添うことが大事です。
人に嚙むのは代替行動を
一方で他人を嚙む(他害)行動に関しては、相手を傷つけてしまう可能性があるので、変えていかなければなりません。
これもストレスの時と同じように原因やその背景を考えます。
例を挙げると
「言葉で伝えられない」
「相手の反応がおもしろい」
などがあります。
言葉で伝えられなかったり、相手の反応を楽しんでいる場合は
社会的に問題のない、嚙むこと以外の手段を伝えていかなければなりません。
「遊ぼう」「貸して」など、場面に応じた言葉を大人が教えたり、代わりに行うことでコミュニケーションが取れ、嚙む行為が減るかもしれません。
また、むやみに嚙む行為に反応してしまうとその反応を楽しみ、行動が増えるかもしれませんので、あえて反応しなかったり、事前に止める対応も必要になってきます。
手先や、視覚の発達を促そう
これまで、いくつかの例を挙げながら説明してきましたが
いずれにしても口で社会と関わろうとするのは、手先や眼球運動の発達が不十分である場合が多いです。
口は他の場所よりも過敏で、生まれたときから発達している場所です。
本来の関わり方である手先の触覚や視覚情報で社会と関わることを未学習している状態なので、
しっかりそれらの感覚を促していけば自然と嚙む行為は減っていくことがあります。
月齢やその子の興味のあるものによって遊び方や、支援の工夫は変わってきますが、
・口の感覚を提供すると同時に手先からの触覚刺激や、視覚刺激を提供する。
・嚙む行為を食べ物(スルメやガム)などの固い食べ物で満たしてあげる。
などがあげられます。
手づかみ食べをさせることや、ハイハイで地面からの刺激を感じてもらうことなども大事な要素の1つです。
まとめ
今回は何でも口に入れてしまう時の原因とその対策をいくつか紹介させていただきました!
口と手に関連性があるなんて驚きですよね!
手づかみ食べやハイハイなど大人からしたら大変なことや、大したことない行動が子どもにとってはとても大事なんですよね。
私も集中したり、ストレス溜まってるときは唇舐めたり、皮を剥いだり(自傷)する事がよくあるので
手先をもっと動かしていこうとおもいます!(笑)
これからも皆様の日頃の悩みや困りごとに少しでも寄り添えるように発信を続けていきますね!
ご覧いただきありがとうございました!
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