子どもが嘘をつく時の心理とは?子どもが嘘をついた時の対応法

我が子には、平気で嘘を重ねるような子になってほしくない…そう思うのが親心。

正直で素直な子のまま成長していってほしいと思うのは親なら誰しも願うことでしょう。

そんな親心とは反対に、嘘をつく子どもに悩まされているママやパパも多くいらっしゃいます。

ですが、子どもの嘘は悪いことばかりではなく、成長の過程としてそういった時期があるということを認知していただければと思います。

今回は、低年齢のお子さん(小学校低学年まで)を対象とした「子どもが嘘をつく時の心理」をテーマに、嘘をついてしまう子どもに対してどのような対応をしていくべきなのかをお伝えしていきます。

子どもの嘘は成長の過程

冒頭でもお伝えしましたが、子どもの嘘は成長の過程でもあります。

子どもが嘘をつくためにはある能力が必要となってきます。

その能力とは

・相手の考えていることを推測する能力

・相手の考えていることを修正しようとする能力

この能力は、通常の発達児で5歳前後から育ってくる能力とされています。

4歳以下の子どもは、まだそういった能力が身についていないため嘘をつくという行為ができません。

嘘を嘘だと認識していない場合がほとんどです。

心の理論を理解できるようになってから、「自分は嘘をついている」と自分自身で気付けるようになります。

そういったことから、「子どもが嘘をつく」ということは心の発達が順調に進んでいるために現れるものであり成長のひとつだと言われているのです。

注意するべき嘘

いくら成長の証だと言っても、嘘を重ねるようでは親としても困りますし、何より子どもの心も心配ですよね。

子どもがつく嘘で時に心配のいらないものがあります。

「オバケを見たよ!「青い鳥さんを見たことがあるよ」など、絵本の世界で知ったお話を現実世界に導いてくる嘘です。

こういった嘘は、空想の世界と現実の世界が交じり合って出てくる言葉ですので、微笑ましい嘘だと思って話を合わせてあげることも良いかと思います。

年齢が高くなってくると共に消息していくものですので、こういった嘘を嘘だと受け止める必要はありません。

しかし、次にあげる例の嘘が続くようであれば注意が必要です。

叱られることを回避するための嘘

叱られないように自分を守るためにつく嘘です。

自分が物を壊してしまった時などに「弟が壊した」「最初から壊れていた」など、自分が不利な立ち位置になることを避けるためにつく防衛型の嘘です。

これらは「叱られたくない」「失望されたくない」という心理からでてくる嘘であり、嘘をつくことで困難を回避することができるということを学んでしまうと、嘘を重ねるようになり、嘘をつくことが常習化してしまう可能性があるので注意が必要となります。

人の注意を引くためにつく嘘

「自分を見てほしい」「注目されたい」そういった欲求願望からつく嘘です。

「家に泥棒が入ったよ!」「怖い人に後をつけられた」など、こういった嘘は一瞬で注目を集め大人の目を自分に向けることが出来ます。

こういった子どもの虚言で実際に警察が動いて大騒ぎになったという話もあります。

これらは「親の愛情をもっと感じたい」「孤独を感じている」「寂しい」という承認欲求から出てくる嘘であり、心のSOSが含まれているケースも多く、子どもがつく嘘の中で最も注意が必要な嘘でしょう。

他人を守るための嘘

誰かに意地悪されて転んだのに「自分で転んだ」と言ったり、お友達が誰かの物を盗んでいるのを目撃したのに知らないフリをするという「誰かを庇うため」の嘘。

誰かのために…ということで一見美談に感じてしまうかもしれませんが、幼い子どもにとっては辛く苦しい嘘です。

本当のことを言ったら誰かに怒られる…という恐怖心を抱いている場合もあり、精神的にも追い詰められてしまう可能性があるので注意が必要です。

子どもが嘘をついた時の対応

子どもの嘘について注意が必要な例をいくつかお伝えしましたが、知っておいていただきたいのは、嘘をついたという事実だけを見るのではなく、「嘘をつく必要があった」という背景を見るということです。

嘘をついた事実の裏には、何か必ず理由があります。

そこを子どもと一緒に紐解いていくことが嘘を常習化させないためにも必要なことです。

嘘が常習化してしまうと、そのまま年齢が高くなることで知恵がつき、大人でも嘘を見抜けないほどに複雑な嘘へと変化していきます。

そういった事態を防ぐためにも今から嘘をつくことに関しての対策はしっかりとっていく必要があります。

対応策として、嘘をついたことをキツく叱りすぎてしまうと、その場を逃れようとさらに嘘を重ねてしまうかもしれません。

叱るということよりも「嘘をつかれたら悲しい」と伝えていくようにしましょう。

叱られることを避けるための嘘が常習化しないためにも「悲しい」「辛いよ」という言葉をキーワードにして対応しましょう。

そして本当のことを話せたときはしっかり褒めてあげてください。

大人でもそうだと思いますが、嘘をついた後に本当のことを話すのはとっても勇気がいることです。

きちんと本当のことを話してくれた勇気に感謝して「嘘をついたら悲しくなるよ。」ということを伝えてあげられたら良いですね。

普段から子どもとのコミュニケーションとして、5分でも向き合って話す時間を設けることで「自分に意識が向いている」と感じられるようになり、子どもの心の安定にも繋がります。

最近嘘が増えたな…と感じる時には、子どもと向き合う時間を意識して過ごしてみてくださいね。

さいごに

我が子が嘘をついてしまうと、親としてはショックで「自分の育て方が悪かったのかな…」と自問自答になってしまうかもしれませんが、それは違います。

子どもが嘘をついてしまうのはごく自然なことでもあり、成長の過程でもあります。

大切なのは、嘘をつかないことではなく、子どもが嘘をついてしまった後のフォローです。

嘘をついたことを自分で気付き「嘘をついてはいけない」「嘘は良くないことだ」と子ども達はこれから学習していきます。

子どもの嘘に対して気を落とさず、子どもの嘘に秘められた心理と向き合って対応していくことが出来れば良い方向へと向かっていけることでしょう。

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