歩行獲得後の次はジャンプ!ジャンプを促す3つの順序

こんにちは、ハナブーです。

現在勤務している事業所の相談で、「ジャンプが出来るようになってほしい」というご要望が多いです。

なぜ、保護者からそのような要望が多いかは定かではありませんが、発達検査や、スクリーニング検査の目安の1つとして設定されている場合が多いです。

参考:新潟県医師会https://www.hapiny.niigata.jp/download/h27_sannkousiryou5.pdf
参考:新潟県医師会https://www.hapiny.niigata.jp/download/h27_sannkousiryou5.pdf

例えば、遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表では2歳3か月の移動運動項目に記載されています。

他にも日本版デンバー式発達スクリーニング検査では2歳前後に”ジャンプする”という項目が記載されています。(画像が小さくてすみません)

スクリーニング検査に記載されているように、運動発達においてハイハイや歩きはじめと同じくらい大事な項目とされていて、保護者が歩行獲得後において気になる要素の1つと言えるでしょう。

ではまず、ジャンプをするために必要な機能を大まかに挙げていきましょう。

ジャンプをするための能力

まず、身体機能から考えてみたいと思います。

ジャンプの動きを想像してみてください。

股関節・膝関節・足首を曲げて”ため”を作ります

そのあとに上方向に向かって、勢いよく股関節・膝関節・足首を伸ばして、最後は足の指で地面をけり上げます。

ジャンプは身体をバネのように使って重力に逆らう動きなので、とっても力を要する動きです。

身体が床から浮き、空中に放たれた後は、着地です。

股関節・膝関節・足首を曲げて衝撃をやわらげるように着地します。

着地した後も身体が倒れないようにバランスを取ります

身体を柔軟に使って怪我をしないような筋肉の連動が求められます。

それぞれの過程でレベルの高い身体の協調運動と筋力が必要となってきます。

もし、跳ぶときに深く身体を曲げすぎると、身体を宙に浮かせるスピードが出ないですし、

膝を硬く伸ばしたまま着地しようとすると、膝に大きな負荷がかかり、怪我に繋がるかもしれません。

次に認知面・飛ぶための意欲を考えてみます。

あれを取りたい・あの人に抱きつきたい・より遠くへ飛び立ちたい

その子にとって重要な思いや動機からジャンプに繋がることも少なくありません。

ジャンプは歩けるようになった子供からすると、自然と目指したくなる面白い活動です。

逆にジャンプをする必要がないと感じる子はジャンプをしないまま生活するかもしれません。

通常、ジャンプは親や兄弟が飛んでいる様子を見たりして他人の真似をして学習するのが一般的です。

しかし学習機会が少ない子はどうしてもジャンプが遅れてしまいます。

でも心配ありません。未学習なだけで、促していけばいずれは必ず出来るようになります。

では次に、歩けるようになった子がジャンプをするための流れを3つに分けて紹介していきます。

1:足裏全体を使って跳ねる

この場合は足の接地面が弾む場所で行います。トランポリンやベッド・マットの上が好ましいです。

お友達や兄弟がいる時はその子にお手本を見せてもらいながらやると効果的だとおもいます。

お友達や兄弟がいない場合は大人がお手本を見せます。

その時は、子どもの正面に立ち、ジャンプ動作の要である、股関節と膝関節・足首を大げさに曲げて見せます。

この動作を真似出来るレベルの子どもだと身体を上下に揺らし、跳ねようとする努力が見られると思います。

ダンスやテレビ番組、実際に同世代の子がジャンプをしている動画を見せるのも効果的です。

トランポリンの上で上下に揺れる活動が見られたら、動きを洗練していきます。大人は子供の後ろに位置して、下半身を補助するために備えます。

この時は子供の前方に、肩の位置程度に手すりを用意してあげましょう。

椅子の背もたれやテーブルを手すり代わりに使用しても問題なしです。

・足の指で地面をけるために重心(体重)を母指球あたりに乗せるよう補助します。

膝を曲げるように後ろから軽く膝を押してあげます。

・上2つの姿勢を維持できるようにふくらはぎを保持してあげます。

上半身がこわばり、猫背や前傾姿勢になってしまうようであれば、胸を起こしてあげてまっすぐに直します。

この姿勢を意識して、足の裏全体を使って、10回ほど跳べるように目指しましょう。

その後は、補助を減らしていき自分で10回以上とべるようになれば、ジャンプの動きは形成されていると言えます。

2:つま先で跳ねる

1つ目の流れが大体完了したら、次はつま先で跳ねることを教えていきます。

ポイントは1つ目の流れでも言ったように母指球に体重を乗せる事を意識させることです。

1つ目の補助と同じように後ろに位置し、ふくらはぎを保持してあげます。

手すりも同様に使用して跳んでもらいます。

重力に逆らい上方向に跳ぶことは意識出来ているはずなので、つま先で跳んで推進力を上げることを繰り返し教えていきます。

これも10回ほど跳べるようになれば補助を減らして、自立してつま先で跳ぶことを学習していきます。

この段階になれば跳ぶことの楽しさや自分の目線より高い位置へと視界が広がる事への興味の関心が増えているはずなので、つま先でジャンプしないと届かないようなところでタッチする、おもちゃを置くなどして、ゲーム感覚で行っても楽しいかもしれません。

3:床でジャンプする

いよいよ日常生活に落とし込む時が来ました。

もうジャンプするための身体機能や意欲の準備は整っているはずです。

大人は子供の目の前に位置して、手を出し、手すり代わりになってあげてください。

子供の肩らへんに位置して腕の力も使ってジャンプできるよう補助してあげましょう。

手すりをつかみながらジャンプ出来るようになったら、手すりの量を減らしていきます。

腕をつかんでもらうことから人差し指だけつかんでもらう等

手すりの補助量が最小になったら、子供だけでジャンプしてもらいましょう。

きっと、子供にとって新しい世界が幕開けるはずです。

まとめ

以上身体機能や意欲の面からジャンプすることを考え、ステップを3つに分けて紹介していきました。

まとめていきます。

足裏全体でジャンプする

・お友達や大人がお手本を見せて、真似してもらう

・手すりを使う

・股関節・膝関節・足首を曲げて足の裏全体で跳ぶことを意識させる

つま先でジャンプする

・手すりを使う

・母指球に体重を乗せてつま先で地面を蹴って跳べるようになる

床でジャンプする

・補助者が手すり代わりになる

いずれも楽しみながら行い、本人の苦にならないように環境設定することが重要です。

遊びながらこのような促しを行うのが効果的だと思います。

真上に跳べるようになれば、身体をコントロールして、前後左右に跳べるようになり、高い所からも恐れずにジャンプが出来るようになると思います。

あくまで、この流れは一例なので、すべての子に当てはまるわけではなく、その子にとって最善の方法を現場やご家庭で考えてみてください。

大人が普通に行っている動作も子供からしたら、新しい世界の入り口であり、自信にもつながります。

周りの子が飛び跳ねているからと焦る気持ちも分かります。

みんなで助け合ってその子にとって最善の策を探していきましょう。

ここまでご覧いただきありがとうございます。ではまた!

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