こんにちは、はなぶーです。
僕は作業療法士として児童発達支援事業所に勤務しています。
僕の事業所には作業療法士・言語聴覚士・保育士が在席しており、それぞれで専門性を発揮しています。
事業を拡大するにあたってリハ職の求人を出していますが、理学療法士・作業療法士は中々採用までにいたりません。
逆に言語聴覚士は面接から採用にいたるまでスムーズで応募もたくさん来ます。
ではなぜ、言語聴覚士を除くリハ職が発達領域で働きづらいのか3つの理由を上げて考えてみたいと思います!
あくまで個人的な視点なので1つの視点として捉えて頂けたら幸いです。
理由1:給料や福利厚生で医療機関に劣る
現実的に大きな問題です。給与を頂かないと生活できませんし、福利厚生や休暇は働き続けるうえで大きなモチベーションとなります。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均年収は約418万円となっています。
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https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/
chingin/kouzou/z2020/index.html
さらに、働く場所について見ていきましょう。
求人サイトにて「発達障害 作業療法士」と検索した結果です、初任給が高いですが昇給が少なかったり、元々の給与が低く設定されている場合が多いです。
発達領域で求人を掲載している会社のほとんどが医療法人以外の会社となりますので、業績に左右されやすく、給与や賞与も前年度の実績により変動する可能性があります。
また、福利厚生や年間の休みなども病院と比較して少ない場合が多いです。
![](https://mugen-no-kanousei.com/wp-content/uploads/2021/11/368fcaed4d5c84f6aaed90bb20d7b42e-936x1024.png)
次に同じ求人サイトで「作業療法士」と入力した結果です。
地域差はありますが、発達領域の作業療法士よりも高く設定されている場合が多いです。
この求人の中には訪問看護や回復期病院よりも待遇が良いとされている精神科の病院などが掲載されているため、給与については魅力的な求人が多い印象です。
給与以外にも、休暇が設定されていたり、福利厚生で様々なサービスを受けられる・勉強会や学会などの発表によりリハ職としての経験が得られる。といったメリットも多いようです。
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株式会社や医療法人にはそれぞれメリットがありますが、給与や福利厚生面で言えば医療法人などが優遇されているようです。
理由2:求人の受け皿が少ない
作業療法士の場合で見てみましょう。
児童福祉施設は全体の2%です。
衝撃的な数字ですよね。100人いたら2人しか就職していないわけです。
![](https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/wp-content/uploads/sites/2/2021/08/210806_2.png)
https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/career/useful/7808/
これには主な原因が3つあります。
1:新卒で就職できる児童福祉施設が少ない。
募集要項のところに「3年以上の経験」と記載されている場合が多いです。
基本的なリハビリの仕事を学んでから求められることになります。
2:学校から病院を勧められる。
病院で経験を積むことを推奨していたり、実習先がほとんど病院であることが大きな要因だと思います。
3:就職している人が移動しない。
児童福祉施設に務めているリハ職の枠が空かないために、求人募集されないケースが多いです。
このように受け皿が少ないのは、病院と比較して、施設に在籍している人数が少ない場合や、事業所の数が少ない事、リハ職の有用性について理解が得られていないことが大きいと思います。
正直、うちの代表は作業療法士の名前しか知らず、その名前を知ったきっかけも「加算が取れるから」という理由でした。
何をするかよく分からないけど、リハビリの人でしょ?みたいなニュアンスで受け取られていました。
理由3:病院で経験を積む風潮がある
学校の同期が70人いる中で新卒で発達領域に就職したのは僕1人です。
あとは、ほとんど回復期のリハビリテーション病院でした。
教師からも病院で、基本的な経験を積んだほうがいいと言われ、学校にくる求人も病院しかありませんでした。
僕は個人的にキャリアセンターに問い合わせて、いくつか放課後等デイサービスや発達センターを紹介してもらいましたがどれも応募までには至りませんでした。
結局、自分で求人サイトや実際に電話をかけて応募しました。
10件ほど電話をかけて面接させてもらったのは今勤めている事業所1件です。
断られた理由は「新卒だから」のケースが多かったです。
・小児リハをやってる訪問リハは新卒なので門前払い
・医療的ケア児を受け入れてる事業所も新卒とのことで門前払い(経験3年以上積んできて)
他の応募先も経験がないことや、新卒であることの理由で断られました。
ほんとに悔しい思いをしました。
学校の先生だけでなく受け入れ先である事業所でさえ、パーソナルな部分を見るのではなく、経験を見ていました。
リハビリ職の業界は経験ありきの風潮があるみたいです。
今の事業所は作業療法士が僕1人ですが、やりたいことをやらせてもらってほんとに感謝しかありません。
まとめ
以上3点の理由からリハ職が発達領域で就職しずらいことを考えてみました。
このように個人レベルでは解決し得ないような問題が背景にあることが分かりました。
業界全体で受け皿を多くしたり、学校の取り組みから少しずつ変えていく必要があると思います。
しかし、発達領域に行きたいリハ職の方は諦めないでください!
僕が新卒で発達領域に就職できるように、皆さんも絶対に行きたいところに行けるはずです。
新卒で発達行こうが、中途で行こうがスタートラインは同じだと思います。
僕は将来的には発達領域を盛り上げられるように活動していきたいです。
そのためにも夢や希望のあるリハ職の方が一緒に活躍出来れば、もっと面白い科学反応が起きると思います!
皆さんと一緒に活動出来る日が来ることを期待しています!
それではまた!
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